真っ昼間の暑さにはまいるけど、ぼくはおやかたほどへばってはいない。
「おまえは春生まれの春ネコだからな。オレは秋ネコだから、暑いのは苦手なんだ。」
と、おやかたは言った。
「へーえ、そうなの?それ本当!?」
「さあな。オレが子供の頃、母ちゃんがよくそう言ってた。」

「おやかたの子供の頃・・・?」
ぼくはなんだか驚いてしまった。
「ばーか。当たり前だろ。誰だって子供の頃はあるさ。
 この木だって、ちっぽけな小枝だった頃があったのさ。」
「ええー!」
そんなの、おやかたの子供の頃より、もっと想像つかなかった。



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