飲み終わると、ブチネコはするどい目でぼくをにらみながら言った。

「おまえ、今年生まれた子どもだな。親はどうしたんだよ?」
「ぼく・・・知らない。」
「へーえ。じゃあ、新入りか。」
「あの、・・あなたは?」
「オレはこの公園ののらネコだ。この辺じゃおやかたって呼ばれてる。」

「おやかた、人気ないの?」
「うるせえなあ。よけいなお世話だよ。ガキの頃は誰だって、ちやほやされるのさ。」



                        前へ TOPへ 次へ