雪で遊んだ次の日、ぼくはカゼをひいてしまった。
ぼくが寝ていると、おやかたがにぼしをもってお見舞いに来てくれた。

「調子はどうだ?」
「のどが痛い・・・。」
「カゼだな。おまえ昨日、雪の中で遊んでいたろ。
 寒いときにあんまりはしゃぐとそうなるのさ。」
おやかたはぼくに体をぴったりとくっつけた。

「あたたかくして、寝てるんだな。
 桜並木を見ろよ。雨の日も風の日も、動かずじっと立っているだろ。
 冬は寒いから無理はしないのさ。
 葉っぱを出すには力がいるからな。
 だからよけいなものは捨てて、じっと待っているんだ。」



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