「ロミオ・・・
どうして死神を助けたんだ?」

「まよったさ・・・。
でも、思い出した。父さんの顔を。」

「父さんの・・・顔を?」

「父さんは言ってた。
本当に強い者は、人を殴ったりしない。
うらんだりもしない。
本当に強いのは、
どんな時にも人に優しくする、勇気を持った者だって。」


(ロミオの青い空 第6話「舟が沈む!!嵐の中の友情」より)


アルフレドの魅力はよく分かりますが、何でもできる少年アルフレドに「ぼくはロミオにはかなわない。」と言わせるほどの
ロミオの魅力って何だろう?と考えると、やっぱりそれはこのシーンのロミオのセリフではないのかなあと思います。
アルフレドはうらみを抱えていました。
田舎で育った純朴なロミオならではの、世間知らずの純粋すぎる言葉かもしれません。
しかし、その言葉どおりのロミオの行動にアルフレドは驚き、感動したのではないでしょうか。









「いいかいロミオ。
ぼくたち黒い兄弟は、大人たちに売りとばされ、辛い目にあってる。
そういう不幸な子供たちが、世の中には大勢いるんだ。
でも、いつかきっと、みんなが自由に学び、自由に生きられる時代が来る。」

「自由に学び、自由に生きられる時代・・・。」

「そう。
僕たちが作っていくんだよ、新しい時代を。」

「それが・・・アルフレドの夢なの?」

「ああ。」

「できるよ、アルフレドなら。
いつかきっと、夢を本当にするさ。」


(ロミオの青い空 第24話「ねらわれた兄妹」より)

学校に行く子供たちを見て、「くやしい、あの子たちはいつだって勉強できる。アルフレドがそうならどんなにいいだろう.。」
と言うロミオに、アルフレドが夢を話します。
困難な境遇にある仲間に思いをはせながら、「誰もが自由に学び、自由に生きられる時代」を作りたいと言うアルフレド。
そんなアルフレドこそが、“境遇や時代なんてちっとも気にしない”というふうに、まっすぐに前を向いていました。
大きな志を持つ親友をまぶしそうに見つめながら、
自分がアルフレドに頼りにされていることなんて、ぜんぜん気づいていないようなロミオでした。心に残るシーンです。



「ロミオの青い空」はとても印象深い作品でした。ロミオとナンは特に印象的なセリフが多かった気がします。
脚本の人が同じなので、きっと脚本が良かったのだと思います。
もちろんアニメのセリフは原作からとっていることが多いのですが、原作は世界の名作ですから
いろんな人がいろんな風に外国語を訳したものが、さらに脚色されています。
言葉ってちょっとした言い回しで印象が変わりますから、だいたい同じことを言ってればいいというだけではないと思います。
キャラクターデザインもロミオといいナンといい、大勢の子供達をなんて魅力的に描き分けるんだろうと思いました。
また、背景もすばらしかったです。
赤毛のアンやハイジなど初期の作品の自然の背景もすごかったけど、ロミオの街並みもすごかったです。
たくさんの夜や夕方のシーン、石造りの建物の質感が伝わってくるようでした。
33話という短い話数で急展開になってしまったのかな、と思います。ロミオに限らず、後半の名作はよく話数を削られました。






おまけ
「あの約束は、いつになりそう?」
アルフレドはキザなことを言ってはニキータを怒らせていましたが、
アルフレドはどんなセリフもさわやかでした。





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