大人になると誰もが忘れてしまう。 自分がかつては子供だったことを。 懐かしいプラムフィールド! 子供の頃、ここで描いた夢、泥んこのにおいや愛すべき仲間たち・・・。 そんな魔法のような思い出がなければ、私は今とは別の人生を歩んでいたに違いない。 その時、私はまだ11才。 この学園との出会いが、先生との出会いが、 生涯でたった一度の美しい奇跡であることに気づいてもいなかった。 (若草物語ナンとジョー先生 第1話「プラムフィールドへようこそ」より) |
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こういう始まりかたは好きです。 物語の最初や最後にその後の姿を入れると、物語全体のリアリティがぐっと増すような気がするからです。 このシーンは原作の第四若草物語の冒頭の 医者になったナンがプラムフィールドを訪ねてくる場面からとったのかもしれないなー、と思います。 |
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「ねえ、エーシア。 私が子供たちに本当に学んでほしいことは、何だと思う?」 「そ、そりゃあ、いろいろ・・・。」 「そう、いろいろあるわ。 その一つは、自分で学ぶ喜びを見つけてほしいということなの。」 「学ぶ・・喜びですか?」 「たくさんのことをただ暗記したりこなすことだけが勉強ではない。 私はそう思うの。 自分から何かに興味を持つこと。 どんどん知りたくなって、調べたり教えあったり、 それが楽しくてたまらない。 そういうことが一番大切だと思うの。」 (若草物語ナンとジョー先生 第2話「川と野原はステキな教室!!」より) |
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勉強するときはたいてい、学校へ進学するためだったり、何かの資格を取って生活に役立てるためだったりします。 でもなんの役にも立たなくても、何かのためでなくても、「ただ知りたい。勉強したい。」ということもあります。 学ぶということは、本当はそういうことなのかもしれません。 目的のない勉強はむだなことのような気がするときもあります。 それでも「何かに興味を持ってそれが知りたくてたまらない」というような気持ちを 大人になってからもずっと持っていたいものだと思います。 |
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「じゃあ、ブルックさんはお金持ちじゃなかったの?」 「ああ。」 「世間をあっと言わせるようなこともしなかったの?」 「ああ。」 「ただ・・・いい人だったのか・・・。」 「そうだ。 いい人だった。 それがすべてだ。 だからこそ私は彼のことを、ジョン・ブルックを誇りに思う。」 (若草物語ナンとジョー先生 第34話「雪の日の使者」より) |
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ナンとジョー先生の中で最も心に残る場面の一つでした。 人として大切なことは何なのか、こんなことは誰もが分かっているようでいて、 実際の社会の中では案外、見逃されやすいものではないでしょうか。 ただ、いい人だった・・・とラストにナンがつぶやくシーンが印象的でした。 |
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「お前は小さい頃から利口で本が好きな子供だった。 お前の本好きはおじいさんの遺伝だろうな。」 「おじいさんの?」 「うん。おじいさんは本なしではいられない方だ。 そういう趣味は性格の上品さを表し、 その人の一生の慰めにも力にもなるものだ。.お前の力に。 お前が大きくなった時、それはきっと役に立つことだろう。 私はそう思う。」 (若草物語ナンとジョー先生 第33話「お父さんとの約束」より) |
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大人しく、本が好きなデミ.。他の友人たちが具体的な夢を語る中、ふと、自分には何ができるんだろう?と悩みます。. 趣味というのは、本を読んだからすぐに.何になる?というものではありません。 読書だけでなく、絵を描いたり、音楽を聴いたり、趣味というのはみんなそうです。. そういうものが具体的な目標にならないと感じ、自分には何もできない気がするというデミ。 そんなデミにお父さんが語りかけます。。 おじいさんというのはメグやジョーのお父さん、つまりフレデリック・マーチさんですね。 目に見えるものではないけれど、自分の中に蓄えていく知識と力。そういうものがいつか自分自身を慰め、助け、 その人を包むベールとなって人柄に表れる。だから大事にするんだよ、というジョン・ブルック氏のこの言葉は、 デミだけでなく私も勇気をもらいました。 「愛の若草物語」と「若草物語ナンとジョー先生」は、とても好きな作品です。 二つの作品は続きものですが、それぞれすばらしかったです。 愛の若草物語のオープニングに出てくる家族写真や、ジョー先生の回想シーンの家の中の様子(しかも引っ越す前の家)、 ナンが持っている人形(ジョオのとそっくりでした)など、前の作品の懐かしさがたくさんありました。 作画も若草の頃の絵のイメージや設定(目や髪の色、声優さんなど)を変えることなく、 しかもその上で新しく作り直してありました。 ナンとジョーを放映当時、ベスが亡くなっていたことを知り、驚きました。 その理由が知りたくて、放映終了を待って原作を一気に全部読みました。 原作は若草物語、続若草物語、第三、第四若草物語まであり、ナンが大人になるまで描かれています。 若草物語は子供の頃に児童用のものを読んだきりでしたし、 もしナンがなければ改めて原作を読む機会もなかったと思います。 原作全体を通して何度も強調されていたのは、成功や富や名誉ではなく、謙遜や優しい心や誠実さでした。 自己主張と実力主義、アメリカンドリームの国、という印象が強いアメリカで100年以上前にこんな物語が 書かれたことが少し意外でもあったし、なんだかうれしくもありました。 そういえば、やはり子供の頃毎週見ていたドラマ「大草原の小さな家」でも、ローラの両親の教育は謙虚な感じでした。 そう思うと、いいとか悪いとかいう気持ちに国は関係ないんだなあ・・と思ったりします。 HOMEへ . |